目次
まえがき
序論
科学的側面
受精のプロセス
胚の発達軸の設置
母の子宮に着床する前の胚の発達
母と胚の対話および着床の準備
出生前診断と着床前診断
生命倫理学的考察
ヒト胚に関する生命倫理学の論争
倫理学的および法律学的考察
解説(秋葉悦子)
推薦の言葉 石島武一(日本カトリック医師会長)
本書は教皇庁生命アカデミーがヒト胚をテーマに開いた第12回総会(2006年)の大会の内容を一般向けに要約・編集したものである。生命アカデミーは各界の世界的権威者159人からなる学術研究機関で、訳者の秋葉悦子氏も客員会員の1人である。
本書は3つの部分からなる。最初の「科学的側面」では発生学の最新データによる卵細胞の受精から着床までの過程を詳述し、人は受精の瞬間から精緻なプログラムに従って人としての発達を始めることを証明している。次の「生命倫理学的考察」では初期胚の「人格の尊厳」をめぐる今日の論争が紹介され、その中で実体論の「受精の瞬間から人格が存在する」との説をとっている。3番目の「倫理学的および法律学的考察」では人の尊厳を持つ胚という最も弱い存在を法的に保護する義務について語っている。
本書はヒト胚の破壊を伴う研究の倫理性を問うものである。日本ではこの問題はほとんど議論されないが、もっと真剣に考える必要がある。本書はそのためのよきガイドブックである。秋葉氏は法学者であるが、医学の専門用語の訳も正確で、一般人にも理解しやすい本になっている。一読をお奨めしたい。
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